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4の視点【町工場の強み・弱みをQCDSEで見る】

QCDSEで見る強み・弱みとは
町工場の社長

そもそも自社の強みってなんなんだろう

強みになるものなんてない…

発注者

品質はいいけど納期が…

コストは安いけど品質が…

なんか調達がうまくいっていない

yohei
yohei

自社の強み、協力工場の強みを把握することは超超重要です。閉鎖的な取引関係の中、比較対象も少ないため、強みや弱みを認識できない町工場が多いです。しかし、現状売上を上げ続けている町工場には必ず強みがあります。その強みを町工場で働く人も、依頼する人・転職したい人も理解し、ミスマッチをなくすことが重要です。

この記事を読む価値

『日本の町工場について、4つの視点の最後、4の視点を学ぶことで強み・弱みの指標QCDSEから町工場をより深く理解する!』

町工場で働く人:『自社を理解し、自社を見つめ直す機会に』

依頼したい人転職したい人:『町工場の基礎を理解し、今後の活動に役立てる』

あなたは町工場の強みと聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか?

発注者

強みは【多品種少量生産】【自社にない技術力】

強みは【職人技】【技術力・独自技術】【最近流行りの自社商品】!!

大半の人は町工場の強みをイメージでしか回答できません。

TVで取り上げられた町工場やオリジナルな自社商品の紹介

逆に景気低迷のニュースで流れる町工場のイメージ映像など、町工場を見る機会がメディア越しでしかない人も多いでしょう。

町工場は必ず現場を見て、イメージではなく、具体的な強みを把握してください。

そしてその具体化した強みをQCDSEで分けると整理しやすくなります。

2、町工場のQCDSEとは

QCDは聞いたことがある方も多いと思います。

製造業はQCDの三つの柱で成り立っているとされる。 「Q」は品質、「C」はコスト、「D」は納期を表す。 そのため、製造業を営む企業ではQCDそれぞれの責任部門として、品質管理部門・生産技術部門・製造部門を置いているのが普通である。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/生産技術

QCDとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)で構成され、町工場の製品に対しても基本的にこの3つで評価され、「需要の3要素」などと言われております。

簡単に言うと、飲食店は「うまくて、安くて、早い」がみんな嬉しいですよね?

町工場においても、「高品質で、相対的にコストが安く、早く納品」が発注者としては嬉しいわけです。

中小製造業/町工場を評価する重要な要素であり、それぞれの要素を向上させることでお客様により喜んでいただけます。

このQCDを強みの視点として活用し、さらに町工場ガイドでは、SEを追加します。

SはService(サービス)、Eは町工場ガイドオリジナルのEntertainment(面白い要素)です。

QCDSEはバランスが重要です。全ての要素を同時に上げる事は難しいです。一つの要素の向上が、違う要素の悪化につながりかねません。注意が必要です。

順番に町工場ガイドでの簡単な考え方と注意点を説明して参りましょう。

Q:Quality(品質)→技術力

品質は重要です。品質が低い町工場は今後淘汰されていくでしょう。わかりずらい人は技術力と考えても問題ないでしょう。

品質は製造業の命であり、5つの要素の中で最も優先すべき要素です。

昨今はNC化(加工のプログラム化)が進んだり、CAMなどで設備を入れればある程度の加工と品質は可能になってきています。

もちろん良い設備があれば高い品質になるわけではありませんが、町工場は職人技という幻想に惑わされずに、常に自社の品質を上げていきましょう。

品質が低いと製品は売れません。しかし、注意点として、過剰品質という言葉があります。品質向上のために高性能な設備を導入したり、検査項目を増やしたりすると、製造・検査のコストが上がり、利益を出すことが難しくなります。同時に、完成品出荷までに時間がかかるため、要求された納期を守ることも難しくなります。

町工場で働く人は、お客様の要望を的確に汲み取り、QCDのバランスの良い製品を作ることがポイントです。

C:Cost(コスト)→相対的なコスト

もちろん安く提供することは重要ですが、ここの判断を誤ると大変危険です。

安さで勝負する仕組みができていないまま、Cost(コスト)を強みにすると、無理にコストを下げることに繋がり、品質の低下や納期の遅延などに繋がりかねません。従業員の満足度も必ず低下します。

それは発注者も一緒で、相見積もりで単純にコストの安い町工場や海外に依頼することで、品質の低下や納期の遅延に繋がりかねません。

町工場ガイドでは基本、Cost(コスト)を強みとすることは推奨しておりません。ポイントは、「この品質、納期、サービスでこのコストなら安い!」と他の要素と相対的に見た安さを提供することです。

コストを下げる努力をすることはもちろんですが、過度な削減は、町工場の信頼低下に繋がりかねません。無理なコスト削減ではなく、QDSの向上に力を入れましょう。

D:Delivery(納期)→スピード

納期、スピードも重要です。日本の物流を活かせば、依頼を受けた当日に納品なども可能になっております。変化が激しい時代に納期・スピードを向上させる事は付加価値向上につながります。

町工場で働く人の注意点は、Delivery(納期)を強みとすべく、在庫を持ってしまったり、残業を強いてしまったりしないことです。無理な納期短縮は加工の不備や検査の見落としにより品質が低下したり、納期短縮のための設備増強や人員確保などのコストなどが発生します。

発注者の注意点としては無理な納期で依頼することで、品質の低下やコストの増加を招いてしまう可能性もあります。しっかりとしたスケジュール管理のもと余裕を持った発注を心がけましょう。

以上が、QCDの簡単な補足説明と注意点になります。以下からはService(サービス)、Entertainmentの説明と注意点を説明して参ります。

昨今、機械設備の高性能化、物流の発展、ITによる人件費の削減などによりQCDだけで差別化することが難しくなってきました。ある程度のQCDはできて当たり前の時代です。そんな中、新たな柱であるSEで勝負する町工場が増えてきています。

S:Service(サービス)→対応力

町工場ではFAXでしか対応できない、メールに返信ができない等が、今の時代でも普通にあります。

今までは技術力があれば多少の不便さがあっても、注文を受けていたかもしれませんが、昨今では通用致しません。

製品(QCD)に+の付加価値(S)をつけていくことが重要です。

付加価値のSとは、単純にレスポンスが早い、提案営業ができる、モノを見て相談ができるなど、考えれば山程あります。今まで、加工に特化してきた町工場だからこそ、やれるべきことがたくさん残っています。町工場で働く人は、このブログでお客様を理解し、ぜひ自社独自のサービスを作り、付加価値を上げることに勤めてください。

E:Entertainment(面白い要素)

Environment(環境)としている場合もありますが、町工場ガイドではEntertainment(面白い要素)です。要するに楽しませる要素です。

自社商品開発もここに入ります。最近では独自の取り組み(イベント運営・参加、子供たちにものづくりの魅力を教える)を行う町工場も増えてきました。

町工場で働く人は、Entertainment(面白い要素)の取り組みにより、メディアに紹介されたり、新しいお客様の獲得ができたり、新事業、新商品開発の入口になる可能性を秘めています。また取り組みによっては、組織の活性化につながることもあります。

注意点としては、上記QCDSと違ってビジネスとは大きくズレてしまう可能性が高いことです。社長がただやりたいことに突っ走ってEntertainment(面白い要素)に取り組むことは、危険です。特に若い社長の場合は、この傾向が強いです。

必ず戦略的視点を持って取り組みを行なっていきましょう。(今後の経営戦略でじっくり勉強していきましょう)

町工場へ依頼したい人で、特に個人の方はこのEの要素を重視してください。面白い取り組みを行なっている町工場であればあるほど、個人の仕事を受けてくれる場合が多いです。

町工場へ転職したい人は、このEの要素がやりがいなどにもつながる場合が多いです。

ぜひ、新たな視点としてお考え下さい。

3、弱みの把握にも

この指標で弱みも見ることができます。

弱みを把握することも町工場にとってすごく重要です。

その弱みを改善・補完するのか?それとも弱みと把握しつつ、そのまま強みに注力するのか?

戦略の取り方で変わってきます。

ぜひ町工場ガイドの町工場で働く人の経営戦略の記事をご参照ください。

3、まとめ

yohei
yohei

今回は4つ目の視点であるQCDSEを説明して参りました。

最初は難しいかもしれませんが、その指標の判断は自身で行なってください。

町工場のHPを見る。たくさん話を聞く、工場見学をする…色々な町工場を調べているうちに、必ず、町工場の強みと弱みがわかってくるはずです。

ポイントはあまり具体的にしすぎない方が皆さんわかりやすいと思います。QCDSEの要素別にざっくりと整理してみましょう。

町工場で働く人は、自社の強みと弱みを理解し、今後、QCDSEのどれかで差別化できていることが重要です。なんでもできる!は差別化にはなりません。経営戦略で具体的にお話ししていきます。

発注者は、自社の優先順位を整理し、その町工場の強みと弱みを理解し、適切な工場に発注することで、より効率化することができます。とにかく60点でもいいから早く欲しいと思っていても、町工場側が寸法や表面にこだわったり、難しく解釈してしまい、品質はいいけど、納期が遅れるなんてことも多いです。同じく、品質はそこそこでいい(重要な部品ではないため)から安くしたいのに、品質を作り上げてその分、労力をかけるため、お金がかかったりそんなことがよく起きています。

転職者は、その町工場の強みと弱みを理解し、転職することで、ミスマッチを防ぐことができるかもしれません。

ですが、現実は町工場と、依頼した人、転職したい人のミスマッチが多発していることでしょう。町工場ガイドは、町工場業界のコミュニケーション不足、相互理解不足が大きな原因であると考えます。次の記事で説明して参ります。

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